こんにちは。
ハルです!
今回はクワガタ以外の虫になってしまうのですがベニカミキリという昆虫を紹介します。
ベニカミキリとは?
和名:ベニカミキリ
学名:Purpuricenus temminckii
分類:コウチュウ目カミキリムシ科
分布:北海道、本州、四国、九州、中国、インドシナ
体長:12.5~17㎜
出現期(成虫):4~6月
生息場所:丘陵地~山
食性(幼虫):枯れたモウソウチクやマダケなどのタケ
食性(成虫):アカメガシワやクリの花の花粉、ヤナギなどの樹液
成虫の体はとても綺麗な赤色で前胸背板に5つの黒紋があります。飛ぶ姿はムナコブハナカミキリに似ていますがベニカミキリの成虫は刺激臭を持っています。
分布は日本全国にほとんど分布していてさらに海外にも生息しています。生息場所はカミキリムシと聞いて想像のつく方もいるかもしれませんが山に生息しています。ベニカミキリを捕まえたい方は主に竹林や成虫のエサであるアカメガシワやクリの花、ヤナギの樹液を探してみると良いかもしれません。
竹林にはマダニがたくさんいるので噛まれないように長袖の服を着て虫よけスプレーなどを用意しておきましょう。
もしベニカミキリを取ることができれば、成虫のエサとして花やスイカなどの果物、それから当ブログで主に扱っているクワガタ用の昆虫ゼリーを与えてみましょう。
ベニカミキリの特徴的な卵の産み方
ここまでは幼虫や成虫の紹介ばかりをしてきたので今度はベニカミキリの卵について紹介していきます。
ベニカミキリの幼虫はタケを食べて育つので当然ベニカミキリの♀は卵をタケに産む必要があります。しかし、ただタケに卵を産み付けただけだと他の昆虫などに食べられてしまうので♀はある工夫をします。
そのある工夫とは♀はタケの節に沿うように卵を産め付けるのですがその際にタケの表面にあるゴミで卵の表面を覆い隠してカモフラージュをします。
目立つ色をしているベニカミキリの身の守り方
ベニカミキリの体の色は赤色であり、前胸背板に黒紋が5つあると説明しましたが、こんなにも目立つ色をしているのにどのように身を守っているのかをネタバレしてしまうと「擬態」で身を守っています。
擬態というと枯れ葉や枝など植物に擬態している昆虫を思い浮かべる方が多いと思いますがベニカミキリは赤色なので植物に擬態することはできません。
植物に擬態することのできないベニカミキリが一体何に擬態しているのかというとベニボタルと呼ばれるホタルに擬態しています。
ベニボタルに擬態してもベニボタルについて知らない方からすると意味がなさそうに見えると思いますが実はこのベニボタルは毒を持っています。
ベニカミキリは毒を持っていないので毒を持っているベニボタルに擬態することで捕食者に食べられないようにしています。
ベニカミキリ以外にもアカハネムシやベニコメツキ、ベニボタルモドキトゲハムシなどがベニボタルに擬態をすることで身を守っています。
「ベイツ型擬態」とはまた異なる擬態で「ミューラー型擬態」という擬態もある。有毒種同士が同じ警告色を持つことで個体あたりの被食率を減少させるための擬態を「ミューラー型擬態」という。また、「ミューラー型擬態」を行う種を無毒な虫が真似ることをベイツ型擬態と言います。
最後に
今回はベニカミキリについて紹介しました。普段のクワガタの紹介とは違う生き物を紹介してみましたがクワガタ以外の昆虫もその生態を掘り下げてみるとなかなか面白いと思います。
参考文献:
槐真史編,伊丹市昆虫館監修「ポケット図鑑日本の昆虫1400 ②トンボ・コウチュウ・ハチ」文一総合版,2013
川邊透著 全国農村教育協会発行「新版 昆虫探検図鑑1600ー写真検索マトリックス付ー」ー総合出版2020/7/3
鈴木知之著、阿部浩志編集・執筆協力「新カミキリムシハンドブック」ー総合出版2017/3/30
「虫は人の鏡 擬態の解剖学」
著者:養老孟司、海野和男
出版:2021/2/28
「ホタルの不思議な世界」
著者:サラ・ルイス
出版:2018/7/12
「自然のだまし絵 昆虫の擬態 進化が生んだ驚異の姿」
著者:海野和男
出版:2015/5/15
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