こんにちは。
ハルです!
今回はクワガタ以外の虫になってしまうのですが夏の終わりを告げるセミであるツクツクボウシの紹介をしたいと思います。
ツクツクボウシとは?
和名:ツクツクボウシ
学名:Meimuna opalifera
分類:カメムシ目ヨコバイ亜目セミ科ツクツクボウシ属
分布:北海道、本州、四国、九州
体長:41〜47㎜
出現期:7〜10月
生息場所:山地〜都会の公園まで生息
食性:樹液
夏終わりによく夏の終わりを告げるかのようにオーシンツクツク、オーシンツクツク、ツクツクオーシ、オーシ、オーシみたいな感じの鳴き声を聴かせてくれます。
ちなみにわざわざ出現時期を夏の終わりにしているのは他のセミとの競合を避けているためと考えられます。
ツクツクボウシが鳴く理由
ツクツクボウシが鳴いている理由は前回の記事で紹介したエンマコオロギと同じです。
エンマコオロギの記事はこちらから見れます。
エンマコオロギは求愛のために鳴いていましたがツクツクボウシも同じで求愛のために鳴いています。
なのでエンマコオロギと同じで鳴くのは成虫の♂だけです。
でもエンマコオロギのように♂同士が喧嘩するということはありません。直接的な喧嘩はしませんが他の♂が鳴いているのを自分の鳴き声を重ねて妨害することはあるみたいです。
ツクツクボウシの鳴き方
ツクツクボウシだけに関わらずセミ全体の鳴き方は共通しているのでほぼセミの鳴き声の出し方の紹介になります。
セミの鳴き方はティンバルと呼ばれる固いクチクラ(硬いタンパク質)の板を変形させることで鳴いているのです。
ティンバルは♂のセミのお腹にある黄色っぽい2枚の板のことです。
ここに数本のひだがあり、これを変形させる役割を担っているのがティンバル筋と呼ばれる筋肉です。
簡単に言うと板の裏側に筋肉がついていてその筋肉が伸び縮みすることで板についているひだがパキパキ音を出します。
イメージは折り畳み式のストローを折り曲げた時にパキパキと音が鳴るようなイメージです
♂の体の中は空洞になっているのでそんな感じの小さいパキパキ音を体の中で共鳴させて増幅させることであんな馬鹿でかい音を出しています。
♂の腹部の中央部分に腹弁という一対の前掛けのようなものがついていてそれがセミが鳴くときに動くのでここから音を出しているとよく勘違いされてしまいます。
でも実際は腹弁は音を途切れさせて鳴き声に区切りをつけるのに使われています。
ティンバル筋(ティンバルマッスル)の詳細
ここからはさらに詳しく知りたい方向けの内容としてティンバル筋について詳しく説明します。
ティンバル筋肉は腹部第1体節に1対あるV字型の非常に目立つ筋肉で、空洞の♂の体の中にあるので乾燥しないように薄いクチクラの膜で覆われています。
ティンバル筋の手前には張筋と呼ばれる1対の小さな筋肉があり、これはティンバルから出される音を変調させる役割があります。
ここまで説明した構造は全てのセミで共通なのですがティンバルの形の違いや変調の違い、運動神経インパルスと呼ばれる神経繊維を伝導する際の興奮のパターンの違いにより種類ごとにあんなにたくさんの音を出しています。
最後に
今回は夏の終わりを告げるツクツクボウシの紹介をしました。
あの小さな体からどうやってあんなに大きな音を出しているのかを紹介しました。
少し複雑で分かりにくい部分もありましたがセミや私の好きなクワガタに少しでも興味を持ってもらえると嬉しいです。
参考文献
・岩本裕之、大声を出すセミの原動機(2018)
・「新板昆虫探検図鑑1600-写真検索マトリックス付-」川邊 透 著者 株式会社全国農村教育協会発行
・沼田英治・初宿成彦、都会に住むセミたち-温暖化の影響? 株式会社海游舎、2007
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