こんにちは。
ハルです!
今回は国産コクワガタについて産卵・幼虫・蛹・成虫など様々なことを詳しく説明していこうと思います。
コクワガタの基本情報
日本で最もよく見られるクワガタで体は小さいですが、ハサミが細長くてスマートなので非常にかっこいいクワガタです。
和名:コクワガタ
学名:Dorcus rectus
分類:コウチュウ目クワガタムシ科オオクワガタ属
分布:日本・朝鮮半島・中国・台湾
寿命:2〜3年
冬眠:する
コクワガタの飼育方法
コクワガタの成虫を飼育するための方法を紹介します。
コクワガタの成虫を飼育するために必要な物
・飼育ケース
・昆虫ゼリー
・床材(土、木くず)
・止まり木
・霧吹き
後は飼育ケースに土、止まり木、ゼリーを入れて霧吹きをして蓋を閉めるだけで完成です。
本当に簡単なのでこれくらいの説明で終わらせてますがもっと詳しく知りたい方は上の記事をご覧ください。
コクワガタを繁殖させる方法
身近に見られるクワガタなので飼育も容易にできます。山で取ってきた個体を是非子供と一緒に育ててみてください。
ということで飼育方法を説明していこうと思います。
コクワガタを産卵させるために用意するもの
用意する物
・マット(産卵1番)
・飼育ケース
・エサ(プロゼリーなどの昆虫ゼリー)
・止まり木(私はいつも鉢底ネットで代用しています)
・霧吹き(100均のものでいい)
・成熟した成虫ペア
コクワガタだけでなくどのクワガタでも成熟している個体をペアリングさせないと卵を産まない・産んだとしても無精卵など問題がたくさんでてくるので成熟した個体をペアリングさせることが1番重要です。
↑このような問題を避けるためにコクワガタの場合は羽化から最低3ヵ月経っている個体(確実にたくさん卵を取りたい場合は5~6ヵ月経った個体)を使うと一番良いです。
コクワガタをペアリングさせる方法
用意した個体を同じケースに入れてペアリングさせます。
直接交尾を確認することができれば2~3日そのまま様子を見てから♂と♀を別々のケースに入れます。
もし直接交尾を確認することができなければメイトガードと呼ばれる♂が♀を守る行動をとっているかを確認します。↓このように♂が♀の上に乗ったり、近くで♀を守るような行動(メイトガード)をしていたら2~3日様子を見て♂と♀を別々のケースに分けます。
♂とは別のケースに分けた♀に1週間ほどプロゼリー(高たんぱくゼリー)を与えて産卵の体力をつけさせます。
ペアリングの方法がもっと詳しく知りたい方は是非こちらの記事をご覧下さい。
ここまで終わったらいよいよ産卵セットを組んでいきます。
コクワガタの産卵セットの組み方
コクワガタは朽木に産卵するのでまずは材の樹皮を剝がします。
ナイフやノコギリを使うとやりやすいですがケガの無いように注意してくださいね。
ここで産卵数を上げるために注意するポイントはコクワガタは菌が少ない方が産卵するので産卵木が全体的に白っぽい物ではなく、若干オレンジ色の物を選びましょう。
白い物は菌が生きている物ですが、オレンジ色の木は菌が少なくなっているからです。
次に水をしみ込ませます。
水を入れたケースを用意して産卵木を入れて浮いてこないように重しを乗せて10分程置いておきます。
産卵木に水がしみ込んだら水から出して外に出して10~30分程乾かします。この時にできれば晴れている日に日陰で干しましょう。
乾かしている間にケースの方の準備をしておきます。
まずは産卵1番に水を足して水分調節をします。
手で握った時に水分が滲み出るなら水分が多すぎます。
逆に握った時にパサパサで崩れるなら水分が少なすぎるので水分を調節する必要があります。
水分調節した産卵1番をケースに入れて押し固めて5㎝程になるようにします。
次に乾かし終わった産卵木を先ほど5㎝固めた産卵1番の上に寝かせて置き、上から産卵1番優しくかぶせましょう。
産卵1番は産卵木が大体3分の2隠れるくらいかぶせましょう。
最後に止まり木とゼリーを置いて♀を入れて完成です。
産卵させるために重要なこと
・羽化してから最低3ヵ月以上は経っていて十分成熟している個体を使用する(たくさん卵を取りたい場合は5~6ヵ月経ってる個体を使用するとたくさん卵が取れる可能性が高くなる)。
・ペアリングは数日間♂と♀を同じケースに入れる同居ペアリングが良い。
・同居ペアリングが終わった後は一週間程♂と♀を別々のケースに移し、♀に高たんぱくゼリーを与えて産卵の体力をつけさせる。←こうすることで無精卵が少なくなる。
・コクワガタは菌が少ない方が産卵するので産卵木が全体的に白っぽい物ではなく、若干オレンジ色の物を選ぶ。
コクワガタの幼虫飼育
組んだ産卵セットは1ヵ月程経ったら♀を取り除いておきます。
こうすることで♀に卵や幼虫を潰されることを防ぐことができます。
クワガタ(ドルクス属は特に)は親から子へ酵母菌を譲渡するために親が菌嚢と呼ばれる内臓から出した酵母菌を卵のそばに塗り付け、卵が孵化した時に譲渡が完了するので卵で取り出してしまうと酵母菌の譲渡がうまくいかず、幼虫の成長が遅くなる可能性があるのでなるべく卵ではなく幼虫で取り出すために1ヵ月~2ヵ月経ってから割り出しましょう。
取り出した幼虫は菌糸ビンでもマットでも育てることができます。ちなみに私はマットで育てています。
マットで飼育する場合はそのまま産卵1番を使って飼育して大丈夫です。
マット飼育の場合はどれだけ幼虫が食べているか分からないので目安として3ヵ月に1回エサを交換するようにしましょう。
菌糸ビンの場合は幼虫が食べた痕が7~8割を占めるようになってきたら交換するようにしましょう。(目安は大体3ヵ月程度で交換)
エサ交換を何回かして孵化から8~10ヵ月経つと羽化が始まります。
コクワガタの蛹の管理方法
蛹になる時に蛹室と呼ばれる蛹になるための部屋を作りますが、その蛹室を菌糸ビンの底に作ってしまうと蛹が出す水分が溜まり、羽化不全が起こりやすくなってしまうので人工蛹室に移し替えた方がいいです。
ただ、まだよくわからないのではっきりしたことは言えないのですが、♀は成虫になった時に菌嚢と呼ばれる内臓を体の外に出して左右に振っている姿をよく見るのですがその時に蛹室の壁に塗り固めた自分の糞に付いている酵母菌を体内に取り込み、幼虫飼育の部分で説明した通り、産卵の時に卵にその菌を譲渡するそうなので人工蛹室に移し替えると良くないです。(人工蛹室に移し替えた♀もきちんと産卵しているのでまだよく分かりません。)
蛹になると温度にもよりますが、蛹になってから2~3週間ほどで成虫になります。
蛹に関する情報
・菌糸ビンの底に蛹室を作ってしまった場合は底に水が溜まってしまい、羽化不全が多くなってしまうので人工蛹室に移し替えた方がいいです。
・人工蛹室に蛹を移し替える時は素手で触らずに移し替える。その時に蛹になって間もない蛹は2週間ほどしてから移し替えるようにする。
・蛹になる直前、成虫の体が透けて見える。体が透け始めてから3~4日経つと水分を体から出し始め、蛹の皮が中の成虫に張り付くようになったら次の日には羽化が始まります。
・羽化が終わっても体が固まるまでは触らないようにする。
最後に
コクワガタは日本のクワガタの中でも1番よく見られ、比較的飼育が容易な種類なのでブリードに興味を持った方は是非この記事を参考にして飼育してみてください。
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