こんにちは。
ハルです!
今回は金魚の塩浴についてお話していきます。
急に塩浴と言われてもピンとこない方もいるかと思うので今回は金魚を育てる時にかなり重要度の高く、知っていると便利な塩浴について紹介します。
知っておくべき!塩浴!
そもそも塩浴とは何なのかと言うと水槽の水を0.5%の塩水に変えて金魚を飼育することです。
0.5%の塩水!?金魚は死なないのかと心配になる方もいるかもしれませんが金魚の体内塩分濃度は0.7~0.8%なので金魚の体内塩分濃度の方が高いので全然大丈夫です。
寧ろ真水の0%に比べると金魚の体内塩分濃度の0.7~0.8%に近くなるので金魚の負担が軽くなります。
もう少し詳しく説明していきます。
難しい話になるので早く塩浴のやり方を知りたい場合は飛ばして次の章をご覧ください
ある程度の濃度の溶液が半透膜を挟んで水と接している時、水側から溶液側に浸透します。この時の浸透を受ける側の溶液にかかる圧力のことを「浸透圧」と呼びます。
この難しい文章を金魚の水槽に当てはめてみましょう。
金魚の体内の塩分濃度は0.7%ほどで上の文章に当てはめると溶液側です。なので常に金魚には浸透圧がかかり、水が体内に入り込もうとします。健康的な金魚であれば粘膜によってある程度防いでいるのですが、この粘膜を作る行動にも体力を使っているのでその分の体力消費を少しでも水槽の水の濃度を金魚の体内塩分濃度に近づけることで減らしていこうというものです。
塩浴を行う理由
塩浴をすることで金魚が粘膜を作る負担や余分な水分を排出する手間を軽減することができるので金魚が病気に罹った時や金魚の調子が悪いときに金魚の日常生活を少しでも楽にしてあげることで金魚自身の免疫力をあげて病気を治療したり、体調を少しでも良くすることができます。
塩浴を行う理由は大きく分けて2パターンあります。
病気の予防
金魚を購入した時に塩浴させることで金魚の体に付いた汚れや寄生虫を落とすことで新しい水槽を清潔に保ち、移動のストレスを減らすことができます。
ただ塩浴も水の濃度が変わることで環境の変化によるストレスが金魚にかかってしまうことになるので様子を見ながら行うようにしてください。
他にも大きく環境が変わる時になどに塩浴をして病気を予防するという塩浴のさせ方も効果的です。
この購入した時の塩浴、環境が大きく変わる時の塩浴の2パターンの塩浴のことを「トリートメント」と言います。
トリートメントは新しい水槽に移すときに金魚のストレスを軽減するとても大切なものです。
なので新しい水槽に移すときには必ず行うことにしましょう。
病気、ケガの治療
こちらは最初に説明した浸透圧による体力消費を抑えて金魚の自然治癒力を高めることで回復するやり方です。
ずっと塩水で飼育すればいいのでは?塩浴のデメリットとは
実際に常に塩浴を指せている状態で飼育している飼育者もいるようですが、なるべくやめておいた方がいいと私は思います。
理由は3つありますので順番に説明していきます。
塩浴に適応してしまい、粘膜が薄くなってしまう
ずっと塩浴させてしまうと浸透圧の調節や余分な水分を排出する必要が無くなるので粘膜を作る必要が無くなり、粘膜が薄くなってしまいます。
粘膜が薄くなると細菌や寄生虫から体を守ることができなくなるので逆に病気に罹る可能性が高くなってしまいます。
水質が悪化しやすい
塩浴をするとバクテリアが普段よりは少なくなってしまう可能性があるようなので水質が普段より少し不安定になってしまうかもしれません。
消化不良の金魚に塩浴をさせた場合などは溜まっていた糞を大量にしたりするので水質が悪化する場合があります。
病気になった時に治療する方法が無くなる
病気になった時普段から体の負担の軽い塩浴状態で飼育していると病気になった時にこれ以上体を楽にさせる方法が無くなるので病気になった時の治療法を一つ失ってしまうことになります。
どのような塩を使うと良いのか
塩浴を行う一番の目的は浸透圧の軽減なので普通の食塩で問題ありません。
でも天然塩を使うとミネラルも含まれているので金魚にさらに健康的な影響を与えることができます。
塩の濃度の計算方法
塩浴のやり方
塩浴の手順は次の章で説明しているので簡潔に手順が知りたい方は次の章へ
まず注意点としては現在飼育している水槽とは別の容器を用意してそちらで行いましょう。
別の容器に移す理由
・他の金魚を同じ水槽で飼っている場合病気の子を隔離するため
・水草が枯れてしまうため
・バクテリアに悪影響が出る可能性があるため
・ろ過装置が付いていると水槽内の塩分濃度が偏ってしまう可能性がある
などがありますなので他の水槽(水がたくさん入ればバケツでもなんでも構いません)に移しましょう。
水質悪化を遅らせるために水は多い方が良いです。
他に注意する点としてはバケツなどに移す時はエアレーション(ブクブク)を一緒に入れてあげましょう。
金魚を購入した時のように元々の水槽の水と一緒に袋に入れ、カルキ抜きをした真水(あとで濃度を0.5%に調節するためにペットボトルなどで何リットル入れたのか水の量をしっかり測って入れて下さい)を入れた塩浴用の容器に浮かべます。
この時に塩浴用の入れ物に測って入れた水とは別の入れ物に余った水を取っておいてください。こちらの水は測る必要はありません。
30分~1時間ほど浮かべてゆっくり温度を合わせていきます。
温度調節が終わったら金魚の入っている袋の水を半分捨て、先ほど別の容器に入れておいた水を捨てた分入れます。
この作業を30分おきに2回ほどして下さい。
この工程が終わったら金魚を網ですくい、塩浴用の水槽に入れましょう。
水を一緒に入れない理由
・せっかく測った水の量が変わってしまうことを防ぐため
・袋に入っている水は元々の水槽の水が混ざっているので金魚が体長を崩した原因となった寄生虫や細菌がたくさんいる可能性が高い
次にいよいよ塩を入れていきますが、注意しなければいけないことは塩分濃度を急に0.5%にしてしまうと金魚が環境の変化によるストレスを感じてしまい、病気がさらに進行してしまう原因になるかもしれないので塩分濃度は徐々に上げて、0.5%に持っていくようにしましょう。
できれば1~3時間ごとに3回ほどに分けて行うことが理想的です。
塩は最初に塩浴用の入れ物にカルキ抜きをした水を測って入れた時の水の量に対して最終的に0.5%になるように塩も測っておいて3回に分けておいてそれを入れて下さい。
温度はヒーターを使って25℃前後にしておくとよいと思います。
塩浴の期間は1週間を目安にして下さい。
塩浴中は絶対にエサを与えないで下さい。ただ1週間エサを与えなくても金魚は死にませんが、金魚を餓死させては意味がないので様子を見て少しだけ与えるなど調節をして下さい。
塩浴の手順まとめ
塩浴させるための容器(バケツなど)・塩浴の準備に使う水を入れる容器・カルキ抜きをした水(塩浴させる容器に入る以上の十分な量を用意しておいて下さい)水の量を測るための計量カップ(ペットボトルなど)・塩・エアレーション(ぶくぶく)・ヒーター・金魚を入れる袋を用意する
8番のこの手順は1~9のどこかで状況に合わせて行う、場合によっては行わなくても良いです
塩浴の終わり方
塩浴を始める時と同じように少しずつ真水に戻して下さい。
一気に真水に戻してしまうとせっかく元気になった金魚が環境の大きな変化にストレスを感じてしまい、また体調が悪化したり、病気に罹ってしまう可能性が高くなってしまいます。
最後に
今回は金魚の塩浴についてお話ししましたが、金魚の塩浴の重要性について分かってもらえたら嬉しいです。
塩浴は金魚の移し替え、病気、ケガの場合など色々な場面でとても便利なので是非この記事を読んで元気の無くなった金魚を元気にしてあげて下さいね。
塩浴をすることで治療可能な病気
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