こんにちは。
ハルです!
今回は金魚などの魚が罹る転覆病と呼ばれる病気について解説していきます。
私も金魚を飼っているのですが転覆病によく悩まされました。
金魚の転覆病に対して悩みがある方と少しでも悩みを共有して少しでも解決できたらいいと思います。
そもそも転覆病ってどんな病気?
転覆病とは金魚が逆さまになって水面に浮きあがってきてしまう病気です。
転覆病になると金魚がバランスをとることが次第にできなくなってきてひっくり返ってしまったり、沈んでしまったりしてしまいます。
体系が丸い魚が罹りやすいのでピンポンパールや琉金などの金魚やこれらに近い体系の熱帯魚などによく見られる病気なので注意して下さい。
体系が丸くない和金やコメットなどのスリムな体系の金魚や他の魚なども罹ることがあるとても怖い謎の病気です。
泳ぎ方のおかしな金魚や底に沈んでしまう金魚、自分の意志とは関係なく浮いていっているような金魚がいたらまずは転覆病を疑って対処をしてみて下さい。
泳ぎ方がおかしくても金魚が寝ているだけ、他の病気、ちょっとした体調不良など転覆病以外の原因の可能性もありますが、転覆病は完全に金魚がひっくり返ってしまうようになると完治することが難しいとても恐ろしい病気なので初期症状を見逃さないようにしましょう。
転覆病
症状…金魚が逆さまになって浮き上がる
ピンポンパールや琉金など体が丸い金魚が特に罹りやすい
初期症状・病気の進行を見逃さないように
先ほど述べたように転覆病は進行してしまうと完治することが難しいので初期症状を見逃さないことが大切なのですが転覆病にはどのような症状ががあるのかをここでは見てみようと思います。
泳ぎ方がフラフラしている、体をくねらせて泳いでいる、ふわ~っと水面に上がっていく
普段なら普通に泳いでいたのに泳ぐ時に体をくねらせてフラフラ泳ぐようになったら要注意です。
この段階ならまだまだ完治することができるので対処法を見て対処をしてみて下さい
底に留まってじっとしている、もしくは泳いでいてもすぐに底に沈んでしまう、潜ろうとしているのに潜れていない
底にじっと留まっている場合は寝ている場合もありますが、泳ぎだしても泳ぐことを止めるとすぐに底に沈んでしまう場合は転覆病の可能性が高いので対処をして下さい。
泳いでいても浮いていき水面付近で体が横向きもしくは斜めに横たわって浮いてしまう
ここまで病気が進行すると完治するかどうか怪しくなってきてしまいます。
体が完全に逆さまになり、お腹を上にして水面に浮いている
こうなってしまうと完治はほとんど無理だと思われますが最後まで諦めずに治療をしてあげて下さい。
症状まとめ
・泳ぎ方がフラフラしている、体をくねらせて泳いでいる、ふわ~っと水面に上がっていく
・底に留まってじっとしている、もしくは泳いでいてもすぐに底に沈んでしまう、潜ろうとしているのに潜れていない
・泳いでいても浮いていき水面付近で体が横向きもしくは斜めに横たわって浮いてしまう
・体が完全に逆さまになり、お腹を上にして水面に浮いている
どうして転覆するの?転覆病の原因・予防法
転覆病になってしまう原因は一つではなく様々な原因が合わさって病気になってしまうことが多いです。
転覆病は浮き袋の不調により引き起こされます。
浮き袋は魚が自分自身の浮力をコントロールする大切な器官なのでその浮き袋が不調を起こすということが転覆病の一番根本的な原因です。
ではその浮き袋がどうして不調を起こすのかというと原因はいくつかあるので順番に説明します。
水質悪化
水が汚れたまま飼育してしまうことで他の病気になる危険性が高くなると同時に金魚の体内にガスがたまってしまい、罹ってしまう可能性も高くなってしまうので水替えはこまめに行いましょう。
エサの与えすぎ
エサを与えすぎると食べ残しや糞の増加による水質悪化を引き起こすだけでなく、実は胃を持たない生き物であり、そのためで満腹中枢が無いと言われており、エサがあればあるだけ食べてしまい、消化能力がそれほど高くないので金魚はすぐに消化不良を引き起こしてしまいます。
エサやりは金魚を飼育している時の一番の醍醐味とも言え、水槽に近づくと水面で口をパクパクしてエサくれアピールをしてくる金魚を見ているとついエサをやりすぎてしまう気持ちは分かるのですが(私も転覆病の存在を知らなかった時はついエサをやりすぎてしまい、転覆病に悩まされました)、エサやりはほどほどにして転覆病を防止してください。
糞が細切れになっている、逆に数センチ以上の長い糞、透明なゼリー状の糞をしているなど普段と違う糞をしている、糞に空気(ガス)が混じり、水面に糞が浮いている、白い糞、色が普段より薄い糞の場合は消化不良になっているので数日エサを与えないようにしてあげましょう。
消化不良の時の糞まとめ
・糞が細切れになっている
・数センチ以上の長い糞をしている
・透明なゼリー状の糞をしている
・糞に空気(ガス)が混じっている
・水面に糞が浮いている
・糞の色が白いまたは色が普段より薄い
エサの劣化
こちらは先ほどのエサのやりすぎと違ってエサは適切な量を与えているのに転覆病にかかってしまう場合です。
消費期限の切れたエサや開封後一年以上経っているエサを与えると金魚の消化不良を引き起こしてしまい、金魚が転覆病に罹ってしまいます。
消費期限の切れたエサを与えてもしばらくは大丈夫な場合もありますが、恐ろしい病である転覆病を発病させる原因を少しでも減らすためにエサの管理をすることを忘れないようにして下さい。
消化に悪いエサを与えた
動物性のエサを与えている場合は消化に悪いので植物性のエサや整腸作用のある菌が添加されたエサにに変えてみるなどの工夫をしてみましょう。
他には浮上性のエサを与えている場合は沈下性のエサに変えてみるなどがあります。
こちらは本当に効果があるかどうか分かりませんが、浮上性のエサは金魚が食べる時に空気を一緒に飲み込むので転覆病になる可能性が高くなるそうなのですが、浮上性のエサでも沈下性のエサでも転覆病は発病するのであまり効果はないと思われます。
でも個人的に沈下性のエサを与えると浮上性のエサを与えている時よりも転覆病になりにくい気がしたので浮上性のエサでも沈下性のエサでもどちらでもいいという方は沈下性のエサに変えてみてもいいかもしれません。
動物性の消化に悪いエサ→植物性の消化しやすいエサに変更
食べる時に空気を一緒に飲み込んでしまう浮上性のエサ→沈下性のエサに変更
水温の変化によるストレス
金魚は変温動物なので自分自身の周りの水温によって消化器官の働きが大きく変わってきます。
急激な温度変化がストレスとなって体調を崩してしまうこともあります。
また寒いときは食べたものを消化する機能が普段よりも低下しているので気温が急に低くなった日、特に冬場などはエサを与える頻度を減らしたりするなど工夫をしましょう。
対策
・温度変化の少ない部屋においてあげる
・ヒーターを入れて水温を一定に保つ
転覆病になるパターンは他にもある?その他の原因
転覆病の主な原因や予防法は先ほど述べた通りなのですが転覆病は謎が多い病気なので原因と考えられるものはまだいくつかあります。
残りの原因や予防法を見てみましょう。
金魚の平衡感覚の機能の低下
このようなパターンでの転覆病も考えられます。
原因は先ほど説明した浮き袋の不調と同じですが、今回は浮き袋ではなく神経障害によって平衡感覚が失われていることによる転覆病です。
原因は基本的に浮き袋の不調の場合と変わらないうえに見た目では神経障害なのか浮き袋の不調なのか分からないので普段から金魚の様子を見て適切な治療をして下さい。
先天性の転覆病の場合
生まれつき浮き袋の形が悪い、機能がしっかりしていないなどの先天性の転覆病もあります。こちらは飼い主側から対処することはできないうえに見た目で判断することも難しいのですが水槽の点検を定期的にしているのに一匹だけ転覆病によくなってしまうという場合などは先天性の転覆病を疑ってみてもいいかもしれません。
先天性の場合は浮き袋の発達が未発達なので転覆病の症状としては沈むタイプの症状が現れることが多いです。
細菌性の内臓障害
細菌が内臓に入り込んで転覆病を引き起こすこともあります。
細菌があまりいない水質の環境を作る、もしくは金魚自身の免疫力に頼ることになるので他の原因の場合と同じように水槽の点検をこまめにすることで解決することができます。
転覆病は他の魚にも感染する?
転覆病は何度か説明している通り細菌性の内臓障害を除き、ほとんどが浮き袋の異常・平衡感覚の低下・先天性のものであり、特定の病原菌等の問題ではないので他の魚にうつることはありません。
ですが、同じ水槽内で何匹も転覆病を発症する場合は明らかに水質が悪化しているため早めの対処が必要です。
転覆病の治療法
転覆病を治療するための方法は病気の進行具合や原因によっていくつかあります。
・水質悪化の場合
まずは転覆病になってしまった金魚を他の水槽に移し替えます。
移し替える前の水槽も水質が悪化している可能性が高いので水替えなどを行ってください。
治療用の水槽は25℃前後にヒーターで温度を保たせるようにしましょう。
治療には普段使っている真水ではなく0.5%の塩水を使います。
金魚の体内塩分濃度が0.9%なので浸透圧による金魚の負担を和らげることができるので金魚の体力回復が期待できます。
塩水を使って治療することを「塩浴」と呼びます。
ここでの説明の時も「塩浴」という言葉を使います。
0.5%の塩水は水1リットルに対して塩5gです。
治療の期間は1週間程が目安で、その期間なるべくエサを与えないようにして治療に専念させてあげて下さい。
金魚はエサをしばらく食べなくても死なないので可能な限り絶食させましょう。
ただし、金魚を飢え死にさせないように様子見しながら!
エサを与えないのが怖い方は少しは与えてもいいかもしれませんが、治療のために使う塩を入れた水は傷みやすいのでエサを与える場合や治療中は注意して下さい。
ここに書いている説明では不十分なので詳しくはこちらの記事をご覧ください。
・エサを与えすぎていた場合
エサを与える量を減らす、または数日間絶食させる(金魚は数日間エサを食べなくても生きられますので最初は少し怖いかもしれませんが病気を治療するためなので思い切って絶食させましょう)
・消費期限切れのエサ、もしくは開封から一年以上経ったエサ、消化に悪いエサを与えている場合
エサを普段与えているエサから新しい消化の良い物に変える
・水温の変化によるストレスの場合
ヒーターを使って温度を一定に保つ
・金魚の平衡感覚の機能が低下した場合
原因を見極めて治療法を実行して下さい。
・先天性の場合
先天性の場合はこちらから対処することができないので治療することは難しいです。
・細菌性の内臓障害の場合
このタイプはまずは細菌を殺すか金魚の免疫力を高める必要があるので水替えをするか塩浴をさせてみましょう。
最後に
今回は恐ろしい転覆病についてお話ししました。
今回説明した方法を試して金魚を元気にしてあげて下さい。
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