こんにちは。
ハルです!
今回はオトシンクルスの水カビ病についてその原因や症状、効果的な治療方法まで全てを解説しました。
- オトシンクルスの水カビ病の原因
- 症状
- 効果的な治療法
水カビ病とは?
水カビ病は、熱帯魚に影響を与える一般的な病気で、水カビ科真菌によって引き起こされます。
この病気は、魚の体やヒレに白い綿のようなカビが付着することが特徴です。
特に体力が落ちている魚や怪我をした魚に発生しやすく、水質の悪化や餌の食べ残しが主な原因とされています。
進行すると魚は衰弱し、最悪の場合は死に至ることもあります。
適切な水質管理と早期の治療が、この病気の予防と対策には不可欠です。
早期発見が大切!水カビ病の症状(初期症状~末期症状まで)
水カビ病に限らず病気は早期発見と適切な治療が重要です。
まずは水カビ病の症状を1つずつ見ていきましょう。
水カビ病の初期症状:体の表面に白い綿のようなものが付く
水カビ病は魚のヒレや体の表面に白い綿のようなカビが付くことで有名な病気です。
画像の真ん中に写っているラスボラ・ヘテロモルファの体に白い綿のようなものが付いているのが分かりますか?
これが水カビ病の症状です。
このように魚の体に白い綿のようなものが付いていたら水カビ病の可能性が高いです。
水カビ病が進行するとこのカビが次第に広がっていくのでその前に素早く治療しましょう。
- 魚のヒレや体の表面に白い綿のようなカビが付着する
- 感染部分が壊死して出血する
水カビ病の中期症状:食欲不振や活動性の低下
水カビ病は少しずつ水カビが魚の体表に根を張り、体表の組織を破壊していくので次第に免疫力が低下していき弱っていきます。
免疫力が低下することで他の病気にも罹りやすくなってしまいます
食欲を失って水面付近をフラフラ泳いだり、あまり動かなくなるなど普段と違う動きを見せることもあります。
このような症状が見られる前に治療を開始しましょう!
- 食欲がなくなる
- 少しふらついて泳ぐようになる
- 動きが鈍くなる、あまり動かなくなる
水カビ病の末期症状:体全体がカビで覆われる
症状がさらに進行すると水カビが体の奥深くまで根を張って広がっていきます。
最終的には魚の体が白いカビで覆われ、浸透圧の調節機能を破壊されることで死んでしまいます。
- カビがどんどん広がっていき、最終的には体全体が白いカビで覆われる
白雲病とは?水カビ病によく似た病気!
水カビ病の症状を詳しく解説しましたが、これによく似た白雲病という病気もあります。
水カビ病 | 白雲病 |
---|---|
・症状:魚の体表やヒレに白い綿のようなカビが生える ・発生条件:主に魚が外傷を負ったり、体力が落ちている時に発生しやすい。 ・予防:水質の悪化が大きな原因なので、水槽の清潔を保つことが重要。 | ・原因:水カビ科の真菌・原因:コラムナリス菌(細菌性) ・症状:魚の体表に白い粉をまぶしたような外観が特徴。進行すると皮膚やヒレが壊死することも ・発生条件:水質の悪化やストレスが原因で発生しやすい ・予防:水質管理とストレス軽減が重要 |
- 原因:水カビ病は真菌が原因であり、白雲病は細菌が原因
- 症状の特徴:水カビ病は白い綿のようなカビが特徴で、白雲病は白い粉をまぶしたような外観
- 治療方法:水カビ病は薬浴で治療可能。白雲病は抗菌薬が必要
似ていますがしっかりと見分けて適切に治療しましょう。
オトシンクルスはなぜ水カビ病に罹る?水カビ病に罹る原因!
オトシンクルスが病気にならないようにするためにはその病気の原因などを詳しく知っておき、対策することが重要です。
よくある原因を予め対策することで水カビ病の予防にも繋がります!
水カビ病の原因はいくつか考えられるのでまずはその原因を順番に見ていきましょう。
原因1:水質の悪化
オトシンクルスのどんな病気にも共通する原因の1つです。
水槽内の水質が悪化すると、魚の免疫力が低下し、水カビ病に感染しやすくなります。
特にアンモニアや亜硝酸塩の濃度が高いとリスクが増加します。
水換えは大変ですが大切な命を守るためにもしっかりと定期的に水換えしましょう!
水換えの際にろ過機能がしっかり機能しているかも確認しておきましょう。
ろ過機能がしっかりとしているとカビのエサとなる栄養素はバクテリアに分解されるので水カビ病が発生しにくくなります。
特にエサの食べ残しには注意が必要!
原因2:外傷
人間が転んだりしてケガをするようにオトシンクルスも岩に体をこすったりしてケガをしてしまうことがあります。
岩に体をこすってしまうのはレイアウトを変更したりして対応するしかありませんが、他にもオトシンクルスがケガする原因として他の魚との喧嘩があります。
喧嘩する組み合わせの熱帯魚を水槽に入れること自体がNGなのでこれは水槽を立ち上げる際によく考える必要があります。
オトシンクルス自体は大人しい熱帯魚なので気性が荒い熱帯魚やオトシンクルスを食べてしまうような熱帯魚以外であれば基本的に混泳させることができます
ケガをするとその傷口から菌が侵入しやすくなってしまいます。
水カビ病は基本的に外傷にカビが付くことで発生するので魚がケガをしない環境づくりは水カビ病防止に繋がります。
- 岩などに体をこすってしまう
対策:レイアウトを変更する - 魚同士の喧嘩
そもそも喧嘩しない魚を入れる
原因3:ストレス
過密飼育、不適切な水温、不適切なpHレベル、攻撃的な他の魚との混泳など、ストレスを感じる環境に置かれた魚は、水カビ病にかかりやすくなります。
できる限りオトシンクルスたちがストレスを感じず落ち着いて泳げる環境を整えてあげましょう。
水温:オトシンクルスにとって最適な水温は20~28℃
水質:pH6.0~8.0程度の弱酸性から中性までを維持することが理想的
原因4:栄養不足
餌の量が少なかったり、餌が口のサイズと合わないなど何らかの理由でエサを食べることができなかったりすると栄養不足で水カビ病に罹りやすくなってしまいます。
他にも偏ったエサを与えているな気づかないうちに栄養不足になってしまうこともあるので注意しましょう。
- エサの量が少ない
- エサが口に合わない
- 栄養不足
- 偏ったエサを与えている
原因5:水温が低すぎる
低温が直接的な原因で水カビ病が発生するわけではありませんが間接的に水カビ病の発生リスクを高めてしまいます。
オトシンクルスは基本的に温暖な環境を好むので水温が低下すると水カビ病に限らず様々な病気に感染するリスクが高くなります。
低温で発生する水カビは厳密には今回紹介する水カビ病とはカビの種類が違います
低温で水カビ病が発生した場合はヒーターを使って一気にではなく少しずつ水温を上げて25℃以上に保ちましょう。
水カビ病は他の魚に感染するのか?
水カビ病は死に至ることもある恐ろしい病気だと分かってもらえたと思います。
そうすると気になるのは他の魚にうつるのかということだと思います。
結論から言うと水カビ病は他の魚に直接うつることは少ないです!
水カビ病は主に魚の体に傷がある場合に発生しやすいです。
これは水カビ科の菌であるサプロレグニアという菌が傷口から侵入して感染するためです。
この菌は水中に普通に存在するのでオトシンクルスが健康であれば通常発症しない病気なのです。
つまり、水カビ病にならないようにするためには他の魚にうつる心配よりも他の魚が体調を崩さないように先ほどまで紹介した水カビ病の原因を片っ端から解決することに力を注いだ方が良いです。
水カビ病の治療方法
これまで解説した症状や原因から水カビ病だと判断した場合はこれから解説する治療法で水カビ病を治療しましょう。
まずは治療に使う薬を用意します。
水カビ病の治療に有効な薬一覧
水カビ病にはマカライトグリーンやメチレンブルーが含まれている薬が有効です
・グリーンFリキッド
・ヒコサンZ
・アグテン
私はこの薬を使って治療しました
・メチレンブルー水溶液
・グリーンFゴールド顆粒
・エルバージュエース
薬を購入したらその薬を使って水カビ病の治療方法をしていきます。
水カビ病で検索した時に出てくる他のサイトでは基本的に水カビ病に感染した魚を隔離して治療していますが隔離用の水槽に移し、しかも投薬まですると魚にとって急激に環境が変わりすぎてしまいます。
水質が既に安定した隔離用の水槽があれば隔離が望ましいですが、水カビ病は他の魚に直接感染しないので隔離せずにそのまま治療した方が魚にとって環境の変化が少なく済みます。
簡易的に作った隔離水槽はバクテリアもおらず水質が安定しません
隔離する場合する場合はその治療対象、隔離しない場合は水槽内の全ての個体に影響が出ない薬かどうかを確認してから入れて下さい
※赤系の水草には影響がある場合があります
私は隔離しないで水カビ病を治療しています。
治療方法は簡単でまずはフィルターの内部にある活性炭フィルターを取り除きます。
活性炭フィルターはフィルター内部の黒いやつ(炭)です↑
※炭が白い袋の中に入っている活性炭フィルターもあるので必ずしも見た目が黒色とは限りません
取り除く理由はこの活性炭フィルターがせっかく投薬した薬を吸着してしまうからです。
活性炭フィルターを取り除いたら薬の取り扱い説明書に従い適量の薬を投薬します。
この状態で後は数日様子を見るだけです。
3~5日程様子を見て症状が改善されたら4日程度かけて水換えを行いゆっくりと真水に戻していきます。
投薬~真水に戻すまでの全ての作業を含めて約1週間程度が治療1セットです
3~5日経っても症状が改善されない場合は水槽の1/2~1/3を水換えしてからもう1度水換えした分の薬を入れます
- 薬を選ぶ
- 実際に投薬
- 真水に戻す
↑手順としてはこんな感じです
- 隔離用の水槽のセッティング・薬を選ぶ
- 隔離用水槽に薬と魚を入れる
- 完治したら少しずつ真水に戻して治療終了
隔離する場合もしない場合もほとんど手順に差はありません。
並行して塩浴も行って治療する場合
水カビ病はカビが魚に付き、根が張って最終的に浸透圧の調節機能を破壊されることで死んでしまうので薬浴と一緒に塩浴を並行して行い、治療する方法があります。
魚の体内の塩分濃度の方が水中の塩分濃度よりも高いため、魚には常に浸透圧が掛かっています。
健康な魚であれば問題ありませんが水カビ病に罹った魚は次第に浸透圧の調節機能が失われていくので飼育水に塩を入れて塩分濃度を魚の体内に近い状態にし、少しでも延命しながら治療する方法です。
薬浴のみで治療するよりも治療効果は高くなります
塩浴についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
やり方は先ほどの治療手順の薬を入れる段階で塩を入れるだけでOKです。
最後に
今回はオトシンクルスの一般的な病気である水カビ病についてその原因・症状・効果的な治療法を解説しました。
水カビ病は基本的に外傷が無いと発症せず、健康的なオトシンクルスが罹ることはあまりないので罹った場合はその原因をしっかりと見極め、治療と原因の改善に努めましょう!
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