こんにちは。
ハルです!
カブトムシを飼育して頑張って数ヵ月~数年間幼虫飼育を頑張り、ついに成虫とご対面するそれまでの努力の結果が現れる瞬間に羽パカなどの羽化不全や羽化不全が原因で★になってしまっている姿とご対面してしまうこともあるかもしれません。
そこで今回はカブトムシの羽化不全の原因や対策を紹介してこれから皆さんが少しでも楽しくカブトムシ飼育ができるようにお手伝いをしようと思います。
羽化不全とは?初心者向けに解説
ずそもそも羽化不全って何?と感じる方もいると思うのでここで丁寧に解説します。
まず昆虫が蛹から成虫になることを羽化と言います。
ちなみに卵から生まれることを孵化と言います。良い子のみんなは覚えておこう!
そしてその羽化の時に羽化に失敗してしまい、羽が閉じない、羽がしまえない(羽パカ)、顎が曲がっている、体が凸凹など何かしらの問題が起こった状態が羽化不全です。
羽化不全するとせっかく大切に育てたのに見た目が悪くなりますし、寿命も短くなる傾向にあり、最悪の場合は羽化不全が原因でそのまま蛹室の中で★になってしまうこともあります。
なので羽化不全はなるべく起こしたくはないですが、カブトムシ飼育をしているとやはり多少の羽化不全は出てくると思います。
でもやっぱり少しでも羽化不全は減らしたい!そんな皆さんの期待に応えるべくこれから羽化不全の原因や対策方法を紹介しますので是非ここから先も読んで参考にして下さい。
どうして起こるの?羽化不全の原因とは?対策方法も一緒に解説
羽化不全が起こる原因として考えられるものはいくつかありますので順番に対策方法も合わせて解説します。
まず羽化不全が起こる原因として考えられるものは5つあります。
羽化不全の原因
・蛹室が乾燥している・もしくは水気が多すぎる
・蛹室が狭すぎる・もしくは広すぎる
・ケースに刺激や振動を与えるなど飼育者がストレスを与えた場合
・カブトムシ自身が羽化・羽をしまうのに失敗した
・蛹・幼虫の時点で問題を抱えていた
・累代障害
では1つずつ順番に見ていきましょう。
蛹室が乾燥している・もしくは水気が多すぎる
これは蛹かそうじゃないかに関わらずカブトムシ飼育で注意しないといけないところです。
蛹室が乾燥している、もしくは水分が多すぎると当たり前ですが上手に羽化できる確率が下がってしまいます。
ケース内が乾燥していると羽化する時に蛹室が崩れるかもしれないし、そもそも蛹室を作る段階から乾燥していた場合うまく蛹室の形を作ることが出来ません。
逆に水分が多すぎると羽化する時にカブトムシは羽を乾かして乾かし終わったら羽を閉じる必要がありますが、その段階で羽がいつまで経っても乾かず羽をしまうことが出来なくなります。
乾燥している→蛹室をうまく作れない・蛹室を作れたとしてもすぐ崩れてしまう
水分が多すぎる→羽を乾かすことが出来ない
蛹を入れているケースの土が乾燥しているか湿りすぎているかは大体見れば分かると思います。
分からない方は土を握った時に形ができるくらいが目安です。握った時にサラサラしていたりポタポタ水が染み出るなら水分を調節する必要があります。
でも幼虫が蛹になるとケース内の水分を調節するのが蛹に気を使いながらになってしまい難しいのでオススメはカブトムシ飼育用の飼育ケースを使用することです。
例えば菌糸ビンなどの幼虫を飼育する専用の容器で飼う、クリアスライダーやコバエシャッターなどのケースにマットを詰めて飼育、カブトムシの場合は百均で売っている衣装ケースなどに空気穴を開けたもので飼育するなど
とにかく保湿性の高いケースに水分調節したマットを入れておけばそれ以降基本的には放置でいいのでオススメです。
百均で販売しているカブトムシ用の飼育ケースの場合は通気性が良すぎて水分調節が難しいので幼虫・蛹の管理ではオススメしません。
オススメしないのはこんな感じの通気性の良すぎるケース
それからありがちなのが蛹の時の水分調節は完璧でも幼虫が蛹室をケースの底に作っていた場合です。
カブトムシは羽化の時に体内の余分な水分を排出するのですが自然界やケースの底以外の場所に蛹室がある場合は蛹室の下の土が水分を吸収してくれるので心配する必要が無いのですがケースの底に蛹室を作った場合は水分を吸収してくれる土が下にないので水分が蛹室内に溜まってしまいます。
その結果水分が多すぎる状態になってしまい、羽化不全を起こしてしまいます。
対処法
保湿性の高いケースで幼虫時代から管理する(オススメは菌糸ビンやその空きビン、クリアスライダーやコバエシャッターのようなカブトムシ用のケース)
・乾燥してしまった場合
→まだ多少乾燥しただけなら霧吹きをする
→パサパサになっているなら人工蛹室に移し替える
・水気が多すぎる
→通気性を良くして水分量を調節するか人工蛹室に移し替える
蛹室が狭すぎる・もしくは広すぎる
次に紹介するのは蛹室が狭すぎるもしくは広すぎるという理由で起こる羽化不全です。
カブトムシの蛹は成虫になる時、つまり羽化の時にうつ伏せになる必要があります。
国産カブトは蛹室が横向きではなく縦向きなので例外です
蛹の状態では足が固定されて使えないので体の向きを変えるためにはクルクル回転する必要があります。
でもクルクル回転するだけだと体の向きを変えることができません。
そこでカブトムシはお尻の部分に突起が一対付いていてその突起を蛹室の壁に引っ掛けて回転しています。
画像はクワガタですがお尻の左右に突起が1対ずつあると思います!それで回転します
そのため蛹室が狭すぎても羽化するスペースがないですし、広すぎると壁にその突起を引っ掛けることができないのでうつ伏せになることが出来ず、羽化不全を起こしやすくなってしまいます。
↑蛹室の横幅は突起が引っかかるくらいの幅です。
横幅は突起を引っかけることができればいいので広すぎる時以外はそこまで気にする必要はないです
縦のスペースは顎(ハサミ)を伸ばせるくらいの広さを確保してあげて下さい。
盾はハサミや羽を乾かすスペースさえあれば問題ありません
どちらかというと羽化不全に関わるのは横幅なので横幅を気にしてあげて下さい
蛹室が歪な形をしている場合も同じで羽化不全を起こしやすくなるので人口蛹室に移し替えてあげて下さい。
対処法
・蛹室が狭すぎる・もしくは広すぎる・形が変
→人工蛹室に移し替える
蛹室に刺激・振動を与えると?飼育者が気をつけるべきこと
幼虫が蛹になると色々と気になってケースをのぞいたり動かしたりしたくなると思いますが蛹の入っているケースに振動を与えるとそれが原因で羽化不全を起こしてしまうことになるのでなるべく振動を与えないように管理してあげて下さい。
人口蛹室に蛹を移す時も本当に慎重に扱ってあげて下さいね
クワガタ・カブトムシの蛹の中身はドロドロの液体状になっているので振動を与えたりして蛹の中の液体が偏ったりすると羽化不全を起こすというわけです。
対処法
・蛹や幼虫のケースはそっとしておく
カブトムシ自身が羽化に失敗した・羽をしまえなかった
人間が見て分かるものでもない気がしますがもしかしたらカブトムシ自身が成虫に姿を変えるという大事な局面で羽化に失敗した可能性もあると思います。
人間も失敗する生き物ですしカブトムシも失敗することもあるだろうと思い原因としてあげました
対処法
・なし
蛹・幼虫の時点で問題を抱えていた
↑右の蛹の触覚の部分が黒いのが分かると思います
蛹になる時に体に傷が付き、それが原因で羽化不全を起こしてしまうこともあります。
これに関しては私たちが人工蛹室に移し替える時や振動を与えてしまった時に傷つけてしまったパターンと運悪く、木片などに体が当たりケガをするパターンの2パターンがあると思います。
これの1つ前に紹介したように蛹の扱いは慎重に行ってあげて下さいね。
対処法
人工蛹室に移し替える時や振動を与えてしまった時に傷つけてしまったパターン
→蛹は慎重に扱う
幼虫自身がケガをしてしまったパターン
→なし
この蛹の個体は成虫になった時に片方触角がありませんでしたが★になることなく羽化してきてくれました。
〜血統にありがち!羽化不全が多くなる累代障害とは?
最後に紹介するのは累代障害が原因で起こる羽化不全です。
先にお伝えしておくとここで紹介する累代障害に関しては飼育者がすぐにできる対策方法はありません。
なので知識として累代障害というものを知っておきましょう。
累代障害とは兄弟間で何世代も交配した結果起こる障害のことです。
つまり、血の繋がりのある近い関係で交配させ続けると他の個体よりも優れた特徴を持った個体が生まれてくる反面体の弱い個体もたくさん出てきてしまいます。
なんで弱い個体が出てくることになるのに兄弟間で交配させるの?と疑問に思った方のために少し解説します。
初心者がカブトムシを飼育して繁殖させようと思った時に購入するのは大抵1♂1♀の1ペアだと思います。
そこから卵を産ませて成虫まで羽化させた場合手元には兄弟がたくさん残ることになります。
そうすると次に卵を産ませる時は手元に♂と♀(兄弟)が既に揃っているのでその♂と♀を交配させると思います。
これを何世代も繰り返すと累代障害が起こることになります。
じゃあたくさん飼っているプロは兄弟間での交配をしないのかと言うとそんなことはありません。
プロ達はプロ達で良い特徴を持った個体を作りたい!と思っているので当然自分の手元で1番優秀な個体同士を交配させます。
基本的に優秀な個体同士となるとやはり同じ血が入っている兄弟達が1番優秀な個体なので兄弟間で交配を続けて優秀な特徴が100%の確率で現れるようにしたいのでプロ達も兄弟間での交配をすることになります。
プロから購入する場合は〜血統と名の付いている個体やF〜とFの後ろに数字が書いているのですがその数字が多ければ多いほど累代障害が起こりやすくなります。
でも血統のある個体は大きい・綺麗・極太など魅力的な特徴を持っているのでめっちゃカッコよく買いたくなると思います
なのでこれらの個体を購入する時は累代障害が起こる可能性も頭に入れた上で購入しましょう。
もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧下さい。
対処法
・兄弟間などの血の繋がりの近いもの同士で交配させない
・F~という表記の~に入る数字が大きい個体を購入しない
・~血統と名の付く個体を購入しない
最後に
今回はカブトムシを飼育する際に起こるととても悲しい羽化不全についてお話ししました。
防げる場合と防げない場合がありますが、今回紹介した対策を事前にしておくことで起こる確率を下げることができるのでこの記事を読んで対策してあげてください。
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