生き物紹介‐クロゴキブリ

こんにちは。

ハルです!

クワガタを飼育していると親が隣からケースを覗き込み、♀を見た時に「クワガタの♀ってゴキブリみたい」と言われた経験はありませんか?

まあ私のことですが…

ということで今回はクワガタの♀に見た目が似ている嫌われ者のアイツについて、個人的には全然!似てないと思いますが紹介していきます。

調べてみると案外面白かったので紹介するのですがクロゴキブリといえば家に出現し、誰もが知っている例のアイツなので嫌いな方が99%だと思います。

そこで今回はアイツのキモイ部分は一切省いて面白い部分やすごい部分だけを抽出して説明していこうと思います。

では早速見ていきましょう。

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目次

クロゴキブリとは?

和名:クロゴキブリ

学名:Periplaneta fuliginosa

分類:ゴキブリ目ゴキブリ科

分布:北海道~沖縄まで全国、韓国、中国西部、台湾中南部、ブラジル、アメリカ (原産国は中国南部)

体長:25~30㎜

出現期(成虫):1年を通して見られるが、最も活動するのは5~9月の比較的暖かい時期

生息場所:民家から産地まで様々、もしかしたら皆さんの足元にも…

食性:なんでも

haru

髪の毛1本で1年間生きられるらしい

ゴキブリの凄すぎる2本の触角

ゴキブリを真剣に観察したことのある方、もしくは討伐に成功した際に近くで見たことのある方はご存じかもしれませんが、ゴキブリは長い2本の触角を持っています。

そのたった2本の毛に一体何の意味があるの?と思った方、侮ってはいけません。

表面には感覚子という毛状やドーム状の構造体があり、その下には表皮への刺激や感覚などの情報を受け取る受容器細胞があり、常に周りを検知することができます

一体どのような能力があるのかというとまず、外部からの物理的な力を感知することができます

言い換えると触覚に何か物が触れると今何かが触覚に触れた!と分かるということです。

でもこれは簡単に言うと人間が誰かに触れられて今誰かに触れられた!と感じる感覚と同じです。

これだけ聞くと「なんだよ。凄い触覚とか書いておきながら大したことないじゃん!」と思われるかもしれません。

ですが、2つ目の能力として温度を感知することができます

ただの毛で温度が感知できるの!?と思った方、まだまだこんなもんじゃないです。

なんと湿度も感知することができます

ここまでくると温度計よりよほど優秀かもしれません。

これだけでも触覚の凄さが伝わったと思います。

さらに味覚もあります

もう凄すぎて訳が分かりませんが、嗅覚も持っています

触角で感知できること

・振動や接触などの外部からの物理的な力の感知

・温度

・湿度

・味覚

・嗅覚

嗅覚について詳しく見てみましょう。

まず、においを感知する触覚内の細胞が、糸球体(毛細血管のかたまり)へシグナルを送ります。

10 年前にゴキブリの嗅感覚細胞の次の細胞へ信号を送る器官が細胞体の位置に応じて整然と並んでいることが発見されています。この並びは、サナギを作らない不完全変態昆虫特有の成長の仕方と深い関わりがあることも分かりました。

卵から生まれたゴキブリは11回脱皮をして成虫になり、脱皮ごとに新しい節が触角の根本側に付加され、そこに新しい感覚細胞のかたまりができる。これを何度も繰り返すことで整った並びになる。

脱皮の度に感覚細胞が増えるので、成長に連れて感覚も研ぎ澄まされます

haru

つまり、脱皮をすればするほど凄すぎる触角がグレードアップされていきます
もはや想像しただけで恐ろしいですね

そしてこの器官は糸球体に入り、既存の糸球体の邪魔をしないようにその周囲を覆います。これにより、その近くになるほど触角の根本側の感覚細胞の情報が処理されるような層構造ができ、これを感覚地図と呼びます。

この感覚地図が中心となる神経フェロモン情報を伝える8つの介在神経によって使用され、匂いのたなびき(ブルーム)と匂い分子の凝集物(フィラメント)の解像度がより高くなることで、ゴキブリは見るように鮮明な嗅覚を所持しています。

そして、この長い触覚のどこにどのくらいの大きさの匂いが当たったのか瞬時に識別できる仕組みを持つことも明らかになっています。

ゴキブリの優れた探知能力

先程の触角の話と少し被りますが、ゴキブリは優れた探知能力も持っています。

ゴキブリが迷路を学習するという話もあります。

ただこの話は学習してというより自身や仲間の以前通った経路に残る匂いをたどっていると考えられています。

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全く空間学習の能力が無いわけではなく、空間を記憶できるんだぜ

ゴキブリの逃げ足の速さの秘訣

ゴキブリと聞いて1番に連想するのはあの逃げ足の速さではないでしょうか。

単純に足が速いという理由もあるのですが、実はそれ以外にもあの逃げ足の速さには理由があります。

では今からその逃げ足について紹介します。

ゴキブリはある2種類の風を見分けることであの驚異的なスピードを出すことを可能にしています。

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外を吹く自然な風や人間からすれば無風とも思える弱い風と人間やその他の動物が歩いた時などに作り出される不自然な風を見分けれるぜ

私からするとどちらも同じ風だと思うのですがゴキブリからすると違うみたいです。

そして、この動物が作り出す不自然な風がゴキブリのお尻の先に当たると人間で言うところの「反射」が起こります。

反射は熱湯などに触れた時にすぐに手を引っ込めるアレです。

haru

つまり、人間が熱いものに触れて手を引っ込めるのと同じような速さで逃げる決断を下し、瞬時に逃げられるということです

もう少し詳しく聞きたい方はこの下の説明をご覧下さい。同じことを難しく説明するだけなので見なくても大丈夫です。

自然に吹く弱い普段の風と他の動物がつくりだす強い不自然な空気流を識別でき、より早い逃避行動の開始ができます。

 ⇒腹部の先端の尾葉という一対の突起上にある細長い毛の機械感覚毛に感覚神経があり、これが空気の動きで引っ張られたことを感知すると、これに電気信号が生じる。これが神経活動に変化し、空気の流れの情報は、背骨のように通っている神経系の一番下あたりに細胞体がある(、GIと呼ばれる)大きな神経へと伝えられる。

すなわち、脳を介さずに逃避行動を行う。

ゴキブリの中枢神経系ははしご状神経系とよばれ、いくつかの神経節が左右1対の神経の束により前後方向に繋がり、身体の隅々まで信号を伝えている。GIでまとめられた情報がこの経路をたどり、その伝導速度は10m/秒(36km/時)、神経細胞(ニューロン)の大きさが2倍になると伝導速度は約1.4倍に増加する。

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最後に

今回はクロゴキブリについて紹介しました。

ゴキブリの話に最後まで付き合っていただきありがとうございます。

ゴキブリも詳しく話を聞くと面白かったと言ってもらえるような記事になっていたら嬉しいです。

他の昆虫、特にクワガタに興味があるという方は是非他の記事もご覧下さい。

参考文献

・朝比奈正二郎著,「日本産ゴキブリ類」中山書店,1991

・William J.Bell著・宇尾淳子・遠藤泰久訳,「ゴキブリ学実験ガイド」蒼樹書房,1983

・西野浩史・岩﨑正純・ Marco Paoli,・上村逸郎・頼経篤史・水波 誠,Spatial Receptive Fields for Odor Localization(匂い源定位に利用される空間受容野)プレスリリース,2018

・日本比較生化学会編,「動物の多様な生き方2 動物の生き残り術 行動とそのしくみ」共立出版株式会社,2009

・北海道大学,プレスリリース 匂いのかたちを捉える神経を発見~ゴキブリは闇の中で見るように匂いを嗅ぐ~,2018

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