こんにちは。
ハルです!
今回はクワガタ以外の昆虫になってしまうのですがエンマコオロギについて紹介します。
名前にエンマとついていますが皆さんが1番最初に想像する1番メジャーなコオロギがエンマコオロギです。
生き物紹介ということで今回はそんなエンマコオロギについて紹介します。
エンマコオロギとは?
和名:エンマコオロギ
学名:Teleogryllus Emma
分類:バッタ目コオロギ科
分布:北海道、本州、四国、九州
体長:20〜25㎜
出現期:8〜10月
生息場所:公園、野原、畑
食性:雑食
何度も脱皮を繰り返して成虫になります。幼虫期間は約70日で成虫期間は約50日〜70日程度です。
よく秋になると帰り道なんかにコロコロコロリーと鳴いているのを聴くこともあるかと思いますがその正体がこのエンマコオロギなのです。
コオロギが鳴いている理由-鳴く理由によって鳴き声が違う!?
コオロギが鳴く理由は割と簡単に想像がつくかと思います。
♂が♀に求愛するために鳴いています。
かなりロマンチックな昆虫ですよね。なので鳴くのは成虫の♂限定です。
私たちがよく聴いている鳴き声は大人になった♂のコオロギが鳴いているものなのです。
この鳴き声には本鳴き、誘い鳴き、喧嘩鳴きなど鳴く理由によって使い分けられています。
まず1番聴く機会の多い本鳴きは♂が自分の縄張りを主張するためや仲間同士の集団作りのための鳴き声です。
鳴き声はコロコロリリリリです。ちょっとリリリリの部分が細かく区切られている感じです。
それに対して1番ロマンチックな鳴き声の誘い鳴きがあります。
誘い鳴きは♀に愛を伝えるための鳴き声なのでささやくようにコロコロリーリーリーと少し伸ばしたような鳴き声になります。
♀の目の前でささやくように鳴くんだから本鳴きに比べて音が小さいのかなと思って聴き比べてみたんですがあまり音の大きさに違いは分かりませんでした
そもそも本鳴きも誘い鳴きも同じに聴こえて違いが本当に微妙すぎました。
♀に愛を伝えるために鳴いているのですから当然♂と♂が♀を取り合うために喧嘩をするのでその時に鳴く鳴き方として喧嘩鳴きがあります。
喧嘩鳴きはお互いに触角を激しく打ち震わせて脚を踏ん張り、前傾姿勢で威嚇を始めるところから始まります。
どちらも引かなければ大顎を開いて相手に突進し、噛みつきあいの喧嘩を始め、どちらかが引くと決着が着き、勝者の♂は鳴きながら敗者を追い払います。
なんとここまでの行動は数秒程度で完結してしまいます。
この時の鳴き方が喧嘩鳴きで、音をかなり短く区切りながら鳴きます。
短い音を連続で出すので明らかに本鳴きと誘い鳴きと聴き比べやすいです。
是非帰る時にコオロギの鳴き声を聴いたらじっくり聴いてどの鳴き方か比べてみてくださいね。
ちなみにコオロギは鳴き声以外にも近づいてきた他個体の性別を知る手がかりとして相手の体表を覆うワックスに含まれる化学物質を使っています。
この化学物質は主に炭化水素から構成された成分で♂のものであれば喧嘩行動、♀のものであれば求愛行動を誘発します。この体表化学物質は「体表フェロモン」とも呼ばれています。
どうやって鳴いているの?コオロギの鳴き方!
ここではコオロギの鳴き方とその音をどうやって聞いているかを紹介します。
コオロギの鳴き方は簡単に言うと翅と翅を擦り合わせて鳴いています。
音を出す原理はバイオリンに似ています。翅と翅は左右非対称になっていて右の翅にザラザラしたヤスリ器と呼ばれる器官(バイオリンでいう弦)がついています。
そして左翅にはコスリ器(バイオリンでいう弓)と呼ばれる器官がついています。
この2つを擦り合わせることで振動が生じ、その振動が翅脈を通じて音を増幅させて、鳴き声を作り出しています。
種類ごとで音色が違うのは同種のみを呼び寄せるための人でいう言葉の違いのようなものです。
さてこんな感じで翅と翅をすり減らしてまで鳴いてくれている♂の鳴き声を♀が聞き取らないといけないので♀には当然音を聞くための器官があります。
人間のように顔に耳がついていれば分かりやすい?ですが…まあそれはそれであまり見たくはない気もします。
コオロギの場合は前脚の外側に鼓膜のような膜を備えています。
ちなみにキリギリスやスズムシにも同じような器官があり、スズムシは前脚の内側に膜を備えています。
鳴き声で気温まで分かる!?
最後にマメ知識としてコオロギの鳴き声で今の気温まで分かるという驚きの計算方法があるので紹介しておきます。
(X+8)×5÷9=気温
Xの部分には15秒間にコオロギが鳴いた回数が入ります。
例えば15秒間にコオロギが30回鳴いたとすると気温は21℃ということになります。
最後に
今回はエンマコオロギの紹介をしました。♀を愛を伝えるために鳴き声を変えてささやくのはとてもステキだと思いました。
秋の夜外を歩いてみるとよく鳴いていて地面にいるので簡単に捕まえることもできるので気になる方は是非一度捕まえて観察してみて下さい。
このステキな昆虫をもっと知りたい方のために今回の参考文献を最後に載せておきます。
参考文献
ニューワイド学研の図鑑昆虫 1999年発行 編集人 伊藤哲郎 発売元学研マーケティング
かんたん飼育図鑑 2006年発行 発行人 嶋崎善明 発行所 株式会社チャイルド本社
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