生き物紹介‐カメノコテントウ

こんにちは。

ハルです!

今回はクワガタ以外の虫になってしまうのですが成虫の背中の模様がカメの甲羅に似ていることから名付けられたカメノコテントウというテントウムシを紹介しようと思います。

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目次

日本最大級のテントウムシ!?カメノコテントウとは?

和名:カメノコテントウ

学名:Aiolocaria hexaspilota

分類:コウチュウ目テントウムシ科

分布:北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、台湾、中国南部、ヒマラヤ、インド北部、樺太、シベリア東部

体長:8~11.7㎜

出現期:主に4~10月。成虫は樹木の幹、建物内、岩の隙間などで集団越冬をする。

生息場所:平地~山にかけてエサとなるハムシ科の幼虫のいるエノキ、ヤナギ、クルミなどの木

食性:ハムシ科の幼虫など

主に日本全国のハムシ科の幼虫がいる木に生息していて海外にも幅広く分布している日本最大級のテントウムシです。

日本の大きいテントウムシとしては他にもハラグロオオテントウ、オオテントウが挙げられ、カメノコテントウを含めたこの3種類が日本でトップ3の大きさのテントウムシとなります。

波紋には変異があり、まれに完全に黒化します。北海道産のものを別種ナガカメノコテントウ(A.mirabilis)とする説もあります。ハムシ類の幼虫などを捕食していてエノキ、ヤナギ、クルミなどで見られます。

カメノコテントウの標本の作り方

カメノコテントウはテントウムシのなかでも大型なため、上翅の付け根の部分に直接針を通します。

テントウムシでこの方法の標本を作れるのは、カメノコテントウ・ハラグロオオテントウムシなど1cm以上の大きさのものだけです。

発泡スチロールなどの板の上に脚を広げ、針を垂直に通します。

1か2号が適当な針の太さです。

標本・写真にする場合は、6本の脚や触角を針などで、形よく整えて乾かしましょう。

カメノコテントウやその他の多くのテントウムシの身の守り方

ここからは今紹介したカメノコテントウを含むテントウムシ達の身の守り方を紹介していきます。

カメノコテントウは他のテントウムシと身の守り方がほとんど同じですが少しだけ違う点があるのでテントウムシ全般の身の守り方を説明した後にカメノコテントウが他のテントウムシとどう違うのかを紹介しようと思います。

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皆さんはテントウムシと聞くと何色を想像しますか?

ほとんどの方は赤と黒のカラーリングを想像するかと思います。

ですが普通に考えて自然界で黒はともかく赤色はかなり目立つと思いませんか。

緑や茶色が多い自然界でなぜあんなにも派手な色をしているか。これにはしっかりと理由があるのです。

天敵である鳥などに「私たち毒持ってるんだよ〜」とアピールする警告色としての役割

ここで皆様にもう一つ質問です。

haru

テントウムシを触ったことはありますか?

触ったことある方はテントウムシは体から黄色の液体を出すということを身をもってご存じかもしれません。

触ったことがあり、黄色の液体を身をもって体験した方にもう一つ質問です。

haru

その汁を舐めたことはありますか?

舐めたことがある!と答える方はほとんどいないと思うので流石に冗談です。

私の友人がこの液体を舐めたのですが苦いそうです。(私は舐めてないのでわかりませんが)

テントウムシは擬死と呼ばれる「死んだフリ」を行いながらこの苦い汁を出すという方法で天敵から身を守っています。

テントウムシのように毒を持っているあるいは捕食者にとって苦い生き物が異なる種でお互いに似たような色彩・形状を持ち、捕食を免れる擬態を「ミューラー型擬態」といいます。

これに似た擬態で「ベイツ型擬態」という擬態もあります。「ベイツ型擬態」に関してはこちらの記事で紹介しているので興味のある方はご覧下さい。

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さてそろそろカメノコテントウの説明に戻りましょう。

ここまで説明してきたテントウムシ全般の身の守り方とカメノコテントウの身の守り方に一体どのような違いがあるのかを見ていきましょう。

主な違いは2つあります。

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1つ目はテントウムシが出す汁の色です

カメノコテントウも身の危険を感じると汁を出すのですが色は黄色ではなく、色です。

これは一般的なテントウムシが出す汁の成分がアルカロイド系の成分であるのに対してカメノコテントウの出す汁の成分がワインの苦味成分であるタンニンという成分であることが関係している。

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2つ目の違いは汁を出す部位です

一般的なテントウムシが脚の関節6箇所から汁を出すのに対してカメノコテントウは胸部2箇所から汁を出します

これははっきりとはまだ分かっていませんがカメノコテントウは日本最大のテントウムシなのでアリなどに攻撃されやすい足を自慢の大きな体で覆い隠すことができ、足から汁を出す必要が無かったのかなと私は考えました。

ちなみにここまで紹介した汁を出すという身の守り方は「反射出血」と呼ばれ、身の危険を感じると一時的に高血圧にして足の関節や胸部などの膜の薄い部分を破り、出血するという想像以上に捨て身の技でした。(反射出血に関しては情報が定かではありません)

これを聞くと例えば私が魚を釣って食べようとした時に目の前で大量出血して死んだふりをされたら食べる気起きなさそうです。

鳥にそんな感情はないのでしょうがテントウムシの身の守り方のイメージは天敵の目の前で大量出血を起こすというようなもので大部分は正解な気がします。

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最後に

今回はカメノコテントウについて紹介しました。テントウムシの意外に捨て身の技(汁出す技)などは個人的に面白かったです。

興味が湧いた方はご自身で調べてみるのも面白そうです。

その流れで普段のクワガタの記事の方も是非ご覧下さい。

参考文献

・槐真史編,伊丹市昆虫館監修「ポケット図鑑日本の昆虫1400 ②トンボ・コウチュウ・ハチ」文一総,2013

・日本環境動物昆虫学会 生物保護とアセスメント手法研究部会、 テントウムシの調べ方 Handbook of Ladybird Beetles in japan  、文教出版、2009年11月14日 

・阪本優介、テントウムシハンドブック The Handbook of Lady birds、文一総合出版、2018年7月8日

・鈴木知之、虫の卵ハンドブック、文一総合出版、2012年7月24日

・A New Alkaloid from Two Coccinellid Beetles Harmonia axyridis and Aiolocaria hexaspilota Bull. Korean Chem. Soc. 2002

・中 野 進 マダラテントウ類のトレンチ行動について、2014 年 10 月 31 日

・後藤久美、大場裕一、柳沼利信、新美輝幸、2018年12月テントウムシに関連した擬態

・近畿大学奈良キャンパスにおけるテントウムシ相桜谷,保之 松本,宣仁生態、2002年3月

・山渓フィールドブックス 甲虫 著黒沢良彦・渡辺泰明

・動物睡眠ー防衛行動としての死んだふり、酒井正樹、岡山大学理学部生物学科

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